新人さんが“新米”と呼ばれる理由(わけ)は?

 

拙者は、おひつ侍 原 壱輩でござる。 

一般的に「新米」と云うとどちらを想像するのでござろう?

新しく収穫されたお米が新米と呼ばれる事と、また、新人さんや作業・業務に不慣れな方を新米と形容するようになった理由、実は両者に共通する理由が在ると存ずる。

そのどちらにも共通する意味は「未熟」「未熟な者」でござる。

9月~10月に収穫された新米は、“味的には未熟”であるのはご存じでござろうか? 収穫されたばかりの新米は、本当の意味でも“新米”なのでござる!

 

ご存じの通りお米は、稲と云う植物の種子として作られ収穫される訳でありまするが、収穫されたばかりの時点では、実はまだ“未熟”なのでござる。 未熟とその対語として“完熟”とがありまするが、収穫の時点では未だ「完熟していない状態」なのでござる。

そのため拙者は、完熟するまでの期間が2~3ヶ月必要と感じて居りまする。

 

理由を説明するには、植物としての稲を想像していただきたいのでござる。

稲は、土中から栄養分を吸い上げて、稲の体内(葉)で光合成を行なった後、デンプンを稲穂(籾殻)に注入して行き、それが固まって米粒が形成されるのでござる。 稲の中の細い管を通り注入されて行くのですから、デンプンは液体状で注入されて行き、中心部から少しずつ固体へと変化して行くのでござる。

そのため、収穫された時期では、液体から固体へと変化したてのホヤホヤ!と云う事でござる。

収穫後倉庫の中で2~3ヶ月の時間をかけて米内部の組織が、完全に固態へと変化して行くことで完熟となるのでござる。 完熟することで、甘みやしっかりとした粘りや歯ごたえが出てきまする。 丁度、みかん畑でみかんの収穫後に、小屋で1~2ヶ月寝かせて甘みを出す工程にも似ているかもしれませぬな。

 

 

 

新米は何故柔らかいのか?

「新米はなぜ柔らかいのか?」との問いに、多くの方が、「新米は水分が多いから」とお考えの方が多いと思いまする。

確かに、20~30年程昔は、実際に水分の多い新米が多かったのでござるが、現在は大きく実情が変化しているのでござる。

 

まず、現代は保冷設備のインフラが整い、低温倉庫・低温保冷車などの保管・保存環境が一変している時代でござる。 また、精米年月日の記入が義務化し、古い精米月日の商品は殆ど店頭には並んではおりませぬ。

また、農作業を効率化するために、殆どの生産現場では「穀物乾燥機」を使用し、機械乾燥が主流となったため、新米内の含有水分と、低温貯蔵された古米の含有水分は、殆ど違いは無いのでござる。(水分が多いと経年劣化が大きいため、入庫時に水分を測定し検査を致しまする)

 

昔は、古米は確かに保管環境が悪く、新米との差も歴然だったために、「早く新米を!」との声も多かったと推察されまするが、環境の整った現代ではその価値観も小差となっていると思われるのでござる。

 

新米が柔らかい理由を、既に察しておられる方も居られると思いますが、新米は固体としての組成が弱いからでござる。 新米と古米の水分を計測しても1%程度しか相違はありませぬ。 (含有水分率14%~15%程度)

米粒内のデンプンが固体となって時間が足らぬために、デンプンの組成が脆く柔らかい。 そのため、炊飯工程で加熱されると、古米よりも柔らかく感じるのは、そのためでござる。

また、甘みや食味に乗りが未だ足りないため、水っぽく感じられるのでござる。

 

多くの方が水分量の違いが、大きな理由と思われているのは、私共を始め、米穀販売に携わって来た者の責任が在ると、深く反省しているのでございまする。 時代は大きく変わったのに、「新米!新米!」とお祭り騒ぎでPRしていました。大変申し訳ございませぬ!!

実は新米100%より新米と昨年産を上手にブレンドしたほうが、1月頃までは本当に美味しいのでござる。でも、ブレンドと云うと嫌われるのが怖くて中々声に出せませぬ。

しかし、これからは本当に良いことは声に出して行きたいと思うのでござる!

 

新米の一番の魅力は、素晴らしい若々しい香りでござる。 あの新米を炊き上げた時の釜の蓋を開けた瞬間に感じる香りは、何物にも替えがたい良い香りでござる!

そういえば、「新人」さんにも「新米」と同様の良い新鮮さ!意気込み!溌剌さ!などの良い点が沢山あることも同様かも知れませぬな!

新しいもの、また時間を経たもの、どちらにもそれ相当の価値があり、その価値を見定める目(感性)を持ちたいと日々願って居りまする。

以前にもブログに書いた内容でござるが、加筆修正したので再度書かせて頂くでござる。

 

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