拙者は、おひつ侍 原 壱輩でござる。
いよいよ師走も残すところ約2週間となり、日常の忙しさの中にどっぷりと浸り、心の余裕などなかなか持てない時期となってきたでござる。
かくゆう拙者も同様で、バタバタとした毎日を懸命にもがいている有様でござる。
「忙しい」というこの漢字は、“心を亡くす程、せわしなく働く”の意味から、漢字の成り立ちがきているのかとも思っておりましたら、先日ある方から別のご意見を伺う機会があり申した。
「忙しい」ことは悪いことでは無いですよ! 心を亡くすのでは無くて、目の前の事のみにきちんと集中し、他の事に対する“雑念の心を亡くす”と云うほうにと捉えて行けば良い漢字なのです! と、その方はおっしゃって居られたのでござる。
中々含蓄の深いことをお話になって居られたのでござる。
しかしながら、未だ未だ未熟な拙者にとっては、簡単に真似出来ないことではあるが、努力したいと感じておるのでござる。
話は変わりもうすが、
忙しい時には、中々感じられないものに、“小さな生活の音”と云うものが在ると存ずる。
無論、大きな音であらば誰でも気がつくが、“小さい” または“短い時間”と云う条件が付加されると、自身に時間的な、また、精神的な余裕があれば感じ取れるが、殆ど気付かずに過ぎてしまうものでござる。
拙者がお伝えしたい“音”は、お米が「パチパチ」と立てる音でござる。
恐らくこの音をご存じの方は多くないと想像しておりまする。
この音が聞こえるのは、お米を研いで、その後水に浸漬をしている時に聞こえる音でござる。
この音を聞くためには、静かな夜間が良いのでござる。
お米を水に入れて、10分程度経った頃、米の入った器に耳を近づけると、かすかにパチパチと云う音が聞こえるのでござる。
音の正体は「お米が割れる音」、お米が水の中に浸されると、急激に水分を吸収し、お米の組織が膨張し、音を立ててヒビ割れしてくることで聞こえるのでござる。
本当にかすかな音なので、器(炊飯器)の蓋が閉まっていたのでは聞こえない位でござる。
聞こえ始めてから、数分後には音も聞こえなくなり、静かになってしまうのでござる。
拙者自身は、他にも色々な音や変化に気付きながら生活できることを願っておりますが、その様な余裕のある生活を夢見ているのが、現在の現状でござろうか・・!