拙者は、おひつ侍 原 壱輩でござる。
拙者達がなぜ“おひつ”をお薦めするのか? 何故“おひつ”が、おいしいごはんを食べるために必要であるのかについて、お話させて頂くでござる。
「木製素材が余分な水分を吸収し、ごはんを理想の硬さに調節するのでござる。」
ごはんを炊くとは、煮る、蒸す、焼く、の複合加熱の調理法でござる。 この行程を経て固い米粒を“柔らかいごはん”に変えることでござる。
炊飯さえ行えば“ごはん”と成り、食べる事は出来るが、実は“美味しいごはん”なるのにはもう一つの行程“蒸らし”が欠かせないのでござる。
“蒸らし”とは、加熱が終わった後に、余熱で米粒の中心までしっかりと熱が伝わりごはんに変わることと、ごはん粒外側の吸収されない余分な水分が、空気中に蒸発し、その後外気との温度差から米粒の表面に薄い膜が形成される行程のことでござる。
この“蒸らし”をきちんと行なうためにも「おひつ」は最適でござる。
炊飯直後のごはんを炊飯器からおひつに移し替えることで、ごはんがほぐれ、一粒ずつ外気に触れるので、余分な水分が蒸発し易くなり、その後、木製のおひつでは、密閉性を保ったまま、木製素材が余分な水分を吸収してくれるのでござる。
「“程よく冷める” が大切」でござる
「おいしいごはんのタイミングはいつ頃?」と質問すると、多くのの方は「炊きたて!」とお答えになりますが、本当でしょうござろうか?
確かに見た目は、“湯気が立って美味しそう!“ですが、実際はあまり熱過ぎると、口の中で“食味を感じることが出来にくい”と思のでござる。
やはり、すこし時間が経過し、人肌に近いくらいに冷めてきた頃が、甘みや旨みを舌が感じ取れる様になる頃かと思うのでござる。
しかし、ごはんをお茶碗によそったまま冷めて行くと、空気とダイレクトに接するため、短時間で熱と水分が同時に蒸発してしまいますので、急激に冷めてしまうのでござるが、
その点、おひつの良い点は、密閉され水分がある程度キープされた状態で、穏やかに温度が下がる過程で、米粒の表面に薄い膜も出来つつ冷えて行くため、特に甘みや旨みがキープされた状態を作り出し、ごはんがおいしく変わるのでござる。
「冷えたてごはん」が旨いぞよ!
「冷えたてごはん」とは、拙者達「おひつ堂」が、名付けたでござる。
「冷えたてごはん」の定義は、炊きたてのごはんを、「おひつ」に移して替えて1時間後~3時間後までのごはんとしておるのでござる。
この時間帯のごはんは、おひつの中で程よく冷めて、且つ温もりがあり、米粒もつやつやとして、甘みが強く感じることが出来るごはんとなりまするぞ。