拙者は、おひつ侍 原 壱輩 でござる。
今日は、拙者が特に大好きな「鯛めしの素」についてお話させていただこう。
拙者は仕事柄、色々な美味しい商品を探すべく、あれやこれやと物色をしていると、
この「鯛めしの素」に巡り会った。
「センスは悪くないが、ちょっと控えめなパッケージだのう! 」とパッケージを観て感じ申した。 混ぜ込みタイプだったので、早速、炊きたての3合分の白ごはんに混ぜ、作ってみる。
味付けされた液体と鯛の切り身が入った袋を破って、白いごはんと混ぜるだけなので、苦も無く完成! 非常に簡単!
一口食べてみると、とても美味しい。 切り身の鯛も調理済みで、しゃもじでほぐすと身がほろほろと崩れ、簡単にごはんと絡んだ。
スタッフの皆と共に、これは美味しいね! と話が弾み、早速仕入をしようと云う事に成り申した。
しかし、問題はその後であった。
製造のメーカーに販売したいので卸販売を願いたい旨を打診したところ、なんと、卸販売は出来ないとのこと! しかし、美味しいので是非に!と依頼しても無理であるとの回答でござった。
さて、困った! どうしても卸での購入が無理と云うなら、日本全国には、これよりも旨い鯛めしがきっと在るはず!と思い、新たな鯛飯を発掘することに致した。
方法としては、やはりネットにて情報を集め、また、知り合いの食品問屋会社の方へも八方連絡をし、通販を主体に鯛飯が約20種程度入手出来たでござる。
パッケージのきれいな大手販売会社の商品から、地方の零細製造会社まで色とりどりな鯛飯が集まったのでござる。
炊き込みタイプのものや、混ぜ込みタイプとそれぞれあり、味も千差万別でござる。
中でも多かった物が、鯛を一匹使用したタイプでござった。
確かに、パッケージの写真に、鯛一匹の画像が有ると、いかにも美味しそうであるが、実際に食べてみると、実はこれが曲者であった。
鯛と云う魚は、ただでさえ骨が多く食べ辛い魚、無論大きな鯛が一匹入って入ればよいのだが、所詮はごはんの素。 入る一匹の魚の大きさは推して知るべきである。
魚の形が小さいので、実際に食べるには骨ばかりで、姿は良いがなんとも食べる事が叶わない鯛なのでござる。
そこにゆくと、切り身になって居る鯛は、元の魚の形が大きいので、それだけ食べる事のできる身が在る魚である。 同じ一匹でもやはり雲泥の差となってしまう訳でござる。
結局のところ、全国から取り寄せた試食の鯛めしは、全滅となってしまった。
一度でも良い味の商品を食べてからは、残念ながらそれが頭から離れず、パッケージだけが良い様な商品は、やはり販売出来ないと悟り、仕方なく卸販売がして頂けない会社から定価で購入し販売していると云う、商人としては、なんとも情けない状態の商品なのでござる。
販売しても利益の出ない商品を紹介しても、仕方ないとも考えるのでござるが、拙者自身が食べて旨いと感じ、惚れ込んでいる商品なので、なんとも致し方ないのでござる。
この様な味付きごはんも、おひつに入れることで、一段と味も良くなること請け合いでござる。 また、食卓に素敵なおひつでこの味の良い「鯛めし」が登場することを想像して頂きたいのでござる。
拙者の願いは、この様な美味しいごはんを食べる食卓が在るご家庭を、1件でも多くなって頂くことでござる。 是非共、年末年始には如何でござろうか!?